妻からの謎の電話、兵士が飛行機に乗せてもらえなかったワケとは?

 

飛行機に乗れない

兵士はスマホに集中していたため、飛行機に乗り遅れそうになっています。航空会社の社員は男性に近づこうとすると、どこからともなく「彼を飛行機に乗せるな!」という叫び声が聞こえます。

なぜ彼が飛行機に乗せられなかったのか知りたいですか?続きを読んでみてください。

ブルックスとヘイリー

空港で泣いていた謎の兵士は、ブルックス·リンゼイさん。彼は2015年に、故郷のミシシッピ州ジャクソンで妻のヘイリー·ウィルソンさんと出会い、恋に落ち、切っても切れない関係に。リンゼイさんはずっと軍に入ることを夢見ており、ウィルソンさんはなかなか受け入れられなかったものの、常に全面的にサポートしていました。そしてリンゼイさんの夢はついに叶い、軍に受け入れられたのです。

結婚

リンゼイさんが軍に受け入れられた後、2人は結婚することを決め、2017年に結婚。若いうちから、2人は家族を作るのを心待ちにしていました。そこから結婚して間もなく、待ちに待ったニュースが飛び込んできたのです

どんなニュースだったのか知りたいですか?次のページでご紹介します。

サプライズ!

ブルックスさんとヘイリーさんが2017年に結婚したとき、実は第一子を妊娠していたのです。このことに気づいたとき、2人は大喜び。嬉しい知らせをすぐに友人や家族と共有しました。

第一子の誕生

産科に、婦人科に、超音波検査に、マタニティジムに、2人はすべてを一緒に行いました。そして超音波検査で、子供は女の子だという嬉しいニュースが入ってきたのです。

トレーニング

ブルックスさんは、妊娠期間中ずっと妻のそばにいたいと思っていた矢先、軍の任務に召集されます。そう、彼は第114野戦砲兵連隊第2大隊に所属していたのです。テキサス州のフォートブリスでトレーニングを受けなければならず、その後、クウェートに9カ月間赴くことになっていました。娘の誕生に立ち会えるかどうかわからない状況での準備は、彼にとって非常に困難なものでした。

離れ離れに

ヘイリーさんが妊娠7カ月のとき、ブルックスさんはテキサスへ向かいます。2人は一緒にいられないことにショックを受けながらも、国のために戦うことがどれほど重要なことかを理解していました。もちろん娘の誕生のためになんとか戻ってこれることを願いながら

赤ちゃんの名前

ブルックスさんが出征するまでの数カ月間、2人は娘の名前をどうするか考えていました。最終的には、「ミリー」という名前に決め、2人はピッタリの名前だとお気に入りの様子。

ブルックスさんは、妊娠中の妻と将来の娘と別れることに心を痛めながらも、軍隊に入ることに充実感を感じていました。この旅がどのようなものになるのか、まったく知らずに

丈夫で健康

ブルックスさんが入隊している間に、ヘイリーさんの妊娠は進んでいきます。高血圧に悩まされながらも、それ以外は順調。お腹の中のミリーちゃんは丈夫で健康。ヘイリーさんは、夫とこの瞬間を共有したかったものの、夫が国のために必要とされていることも十分理解していました。

出産

ヘイリーさんは、ブルックスさんが出産に立ち会えなかった場合のことを常に考えていたといい、周りの人たちは、「奇跡がなければ彼は返ってこない」と伝えます。夫に娘の出産に立ち会ってほしいと思いながらも、その可能性は低いと理解していたのです。

緊急事態

「軍人の男性を家に送り返すのはとても難しいと聞いていたため、ブルックスと私は赤十字に訴えかけることにしたんです、でも絶対的な緊急事態でなければ可能性はほとんどないと言われました」とヘイリーさんは語ります。

高血圧

高血圧であることを除けば、ヘイリーさんとミリーちゃんは健康だったので、ブルックスさんが出産に立ち会えないことを想定していました。しかし、2人にとっては胸が張り裂ける思いだったことでしょう。「私たちはかなり感情的になりましたが、妊娠中は幸運にもちょっとした高血圧以外は何の問題もありませんでした」とヘイリーは語っています。

医師の診察

いつも通り行われる医師の診察の際、ヘイリーは衝撃的なニュースを受け取ります。出産予定日を来週に控えていながら、当初の予定通りには進まなかったのです

極度の高血圧

医師は、彼女の血圧が非常に高いことを告げ、彼女だけでなく赤ちゃんにとっても非常に危険な状態であると伝えます。医師は、赤ちゃんの状態を心配し、血液検査の結果が出るのを待ちます。

血液検査の結果を待つ間、帰宅するも、恐怖で落ち着きませんでした。生まれてくる娘のことが心配だったのです。しかし、この程度ではブルックスさんが家に帰ってくる理由としては足りないだろうと考えたその時、電話が鳴ります

血液検査の結果

幸いなことに、血液検査の結果は比較的早く出て、帰宅して1時間後に医師から電話がかかってきます。そこで彼は彼女に衝撃的なニュースを伝えたのです。

「ブルックスに立ち合いは多分無理だと伝えた後、医師から電話があり、血圧が高すぎること、赤ちゃんにストレスがかかっていること、そしてHELLP症候群であることを告げられました。HELLP症候群とは、母体となる人の血圧が高すぎて、肝臓や腎臓などの他の臓器に影響を与えている状態です。一番怖かったのは、ミリーが危険な状態だったこと。すぐに対応しなければなりませんでした。」

病院にて

ヘイリーさんの病状はどんどん悪化していき、医師は一刻の猶予もなく、今日中に陣痛を起こさなければならないと判断しました。「1時間後に病院に来てください、陣痛を起こしますと言われました」とヘイリーは振り返ります。ブルックスが出産に立ち会うことよりも、ヘイリーさんとミリーちゃんの安全が第一。

緊急休暇

「ブルックスに電話したら、すごく喜んでいました」とヘイリーさんは言います。もちろん、ヘイリーとミリーの状況が悪化していることに不安があったものの、緊急休暇を取って娘の出産に立ち会えることになったのです。ブルックスが緊急休暇を取得するには、赤十字社の支援が必要となります。

赤十字

病院に向かうことをブルックスさんに伝えた直後、ヘイリーさんは赤十字社に電話をして、娘の出産に立ち会うための緊急休暇を取得できるよう働きかけます。「赤十字に電話して、緊急事態であることを伝え、さらに情報が必要な場合は私の主治医に電話してほしいと伝えました」とヘイリーさんは語ります。

赤十字は病院に詳細を確認すると、すぐにブルックスの緊急休暇を手配。出産に間に合ってよかった気持ちと、ヘイリーさんとミリーちゃんの体調が不安である複雑な気持ち。しかし、この先の数日間が、彼にとって最大の悲しみであり、最大の喜びであることはまだ知る由もなかったのです

飛行機の手配

知らせを聞いたブルックスさんは、時間内に荷物をまとめることができず、すぐに帰国のための便を探したものの、想像以上に難航。残念ながら、当日のフライトはもうなく、翌日のダラスでの乗り継ぎ便しかありません。つまり、ブルックスは翌日の午前10時まで、妻のもとへ飛ぶのを待たなければならないわけです。他に選択肢がなく、空港で待つことにします。

惨めさ

妻に翌日まで帰れないことを告げたとき、ヘイリーさんは大きなショックを受けます。娘の誕生に間に合わない可能性が高いことをそこで悟ったのです。「彼が来る前に出産すると確信していました。でも、彼は4日間家にいることが許されたので、とても嬉しかったです」とヘイリーは語っています。

その間、ブルックスは早いフライトを見つけるためにあらゆる努力を尽くしたものの、幸運は訪れませんでした。夫妻は、数日間家に戻って新しい家族の始まりを見守れることを喜んだと同時に、不安を抱えていました。しかし、これは、彼らの感情を揺さぶるジェットコースターの始まりに過ぎなかったのです。

破水

ブルックスさんが空港で飛行機を待っている間に、陣痛が始まりました。「金曜日の朝7時に破水して、ピトシン(陣痛を誘発する薬)が効き始めました」とヘイリーさんは回想します。

その間に、ブルックスは飛行機に乗る準備をし、空港ではすべてがうまく進んでいるように思えました。しかし、長い旅は始まったばかりだったのです。

遅延

午前10時、ブルックスさんはエルパソからダラス行きの飛行機に乗り、午後2時に着陸。その2時間後には次の便で最終目的地に向かいます。その間、医師から「もう残された時間は少ない」と告げられ、出産に間に合わないことが濃厚になります。

さらに追い打ちをかけるように、フライトが遅延し、午後355分に出発するはずだった飛行機は、午後545分まで離陸しないという事態に。正に娘の誕生に立ち会えないと面と向かって告げられたようなものです。

出産に立ち会う

ブルックスさんが次のダラス行きの飛行機を待ち焦がれている間、ヘイリーさんは陣痛の最終段階に。ミリーさんの誕生を目前にして、彼女は出産に立ち会う人物として義母のディー·アンとブルックスの母であるテレサに決めました。「午後5時に医師が様子を見に来たのですが、本当にテレサがいてくれてよかった」とヘイリーさんは回想します。

FaceTime

カメラは禁止だと医師に言われていましたが、テレサさんは密かにスマートフォンを取り出して、息子とFaceTimeすることに。「義母は、ブルックスとこっそりFaceTimeをして、スマホをシャツの前ポケットに入れていました」とヘイリーさんは語ります。これは、ブルックスさんがこの世に生まれてくる娘を見るための唯一の方法。ただし、医師がテレサさんのスマートフォンに気づくのに時間はかかりませんでした

重要な瞬間

「私がいきみ始めたとき、医師はテレサが何をしているのか尋ねました。テレサは、ブルックスの顔が見えるように画面を見せました。そのときお医者さんも何が起きているのかを理解したのです」とヘイリーさんは語ります。別の医師からは、出産の様子は撮影できないと言われていたようですが、その医師は恐らく家族の状況を把握していなかったのでしょう。幸いなことに、担当医師は、ブルックスさんにとって出産を生で見ることがいかに重要かをすぐに理解してくれました。

「主治医は、スマホを持ってきて、彼に何が起きているのかを見せてほしいと言いました」とヘイリーは説明します。その間、ブルックスさんはダラスの空港で、妻がミリーを出産するのを見守っていました。

生中継の様子

ブルックスさんは、病院から何マイルも離れた場所にいながら、まるでそこにいるかのように感じていました。「大丈夫だよ」とずっと言ってくれました。

ふと気づくと、ジャクソン行きフライトの搭乗時間になっていました。娘の出産を見るのに夢中になっていたため、時間はどんどん過ぎていったのです。いよいよ、父親になる時が来た、喜びのあまり彼は泣き出し、その時、航空会社のメンバーが彼のところにやってきました。

飛行機を遅らせる

航空会社社員のひとりが、「飛行機に乗ってください」と丁寧にお願いをします。丁度社員が声をかけた時は、ミリーちゃんの頭が見えたときでした。幸運なことに、ゲートにはその兵士に気付いていた他の乗客がおり、彼らがフライトを少しでも遅らせるために最善を尽くしてくれたのです。ある乗客は、コックピットのところに駆け込んで状況を説明し、その時、思いがけないことが起こったのです。

彼を飛行機に乗せないで

ゲートの係員は焦っていたので、ブルックスさんは荷物を持って飛行機に乗ろうとしていました。しかし、突然、医師が電話口で叫んでいるのが聞こえてきます「彼を飛行機に乗せないで!」と。「もうすぐ生まれる、彼女はここにいるんだ!」その言葉を聞いたブルックスさんは、満面の笑みを浮かべ、ヘイリーさんによると「ありがたいことに、航空会社の皆さんは、すべてが終わるまで彼をそこに座らせてくれました」とのこと。

ミリー·フリッツ·アン·リンゼイが誕生したのは午後423分。その直後にブルックスは飛行機に乗り込み、初めて赤ちゃんを抱くことができました。このニュースはすぐに空港内に広まり、新しい娘の誕生を祝福されました。航空会社社員によると、彼が出発した後も、明るい雰囲気が続いたといいます。

たくさんの声援

ブルックスさんは出産に立ち会うことができず、一人でダラスの空港にいたのですが、実際は一人ではなかったのです。「彼の周りには大勢の乗客がいた。私たちは家族の一員のように感じましたね。赤ちゃんが生まれたとき、その泣き声がみんなに聞こえてきて、まさに美しい瞬間でした」と、ある乗客は語ります。「誰もが感動に包まれていた」と別の乗客は語っています。

電話の向こうの病院では、ヘイリーさんが空港で人々の歓声を聞いていました。出産はすでに特別な瞬間なわけですが、さらにユニークで特別なものであったに違いないでしょう。

祝福

ブルックスさんは、結果的に飛行機が遅れたことに感謝しています。そうでなければ、娘が生まれている間、彼は飛行機に乗っていたことでしょう。「そうでなければ、彼は空の上で何も知らずにいたでしょうから」とヘイリーは語っています。

長い時間

ダラスの空港で何時間も待たされた後、ブルックスさんはようやくジャクソン行きの飛行機に乗り込み、妻と娘に会うことができました。短時間のフライトではありましたが、家族のこと以外は何も考えられません。2時間のフライトが永遠のように感じられたのは、ブルックスが娘たちを腕に抱くのを待ちきれなかったからでしょう。

病院

長い旅の末、ようやく病院にたどり着くと、妻の容態は非常に良好だと伝えられます。出産後すぐに血圧が下がり、それ以上の合併症はなかったといいます。また、ブルックスさんはすぐにミリーちゃんの詳細を把握。出生時の体重は3.7キロで、身長は53センチ。2週間早く生まれたものの、丈夫で健康な赤ちゃんでした。

「ブルックスさんが病院に着いたとき、部屋にいた17人全員に出て行ってもらいました」とヘイリーは振り返ります。ついに二人きりでミリーちゃんとの対面です。

特別な瞬間

ブルックスさんは、ようやく自分の赤ちゃんを腕に抱くことができたことが信じられず「父親になったなんて信じられない」と繰り返し妻に語り掛けます。「初めて娘を抱き、妻を抱きしめ、キスをした」と、その貴重な瞬間について後に語っています。

「感動しました。特に、彼女が生まれたときに私はその場にいなかったので。初めてミリーを見て、抱くことができて、感動しました」しかし、ブルックスさんはこの貴重な瞬間を長くは味わえないことを知っていました。特別休暇は4日間だけ、その後はフォートブリスに帰らなければならないのです。

貴重なひと時

生まれたばかりの娘と一緒にいられるのは4日間だけでしたが、その間、オムツを替えたり、夜中に起きて世話をしたり、写真もたくさん撮ってすべての時間を家族と過ごし、人生絶頂の時を過ごしました。

ブルックスさんは出産の様子をすべて聞きたかった一方、ヘイリーさんはブルックスさんの素晴らしい旅の様子をすべて知りたがりました「彼は、一緒に見ていた人たちや応援していた人たちのことを話してくれました」とヘイリーさんは言います。翌朝、2人はブルックスさんが一躍人気者になっていることを知ります。

ネットで話題に

その場にいた乗客の一人であるトレイシー·ドーバーさんは、特別な瞬間を記録したいと考え、収めた動画をFacebookに投稿し、数時間のうちに何千もの「いいね!」を獲得。「この兵士さんは、昨日、私と同じ便に同乗していました。娘の誕生をFaceTimeで見なければならず、彼は泣き、私たちは心を痛め、赤ちゃんの泣き声を聞いたときはみんなで感動しました。私はこの動画を共有することで、毎日私たちの国のために働いている兵士さんたちと、彼らが私たちのために払っている犠牲を決して忘れないようにしたかったのです」と語ります。

何千件ものいいね

この心温まるビデオは、すぐにインターネット上で話題になりました。次の日、目が覚めたとき、動画は1,000回シェアされ、20,000の「いいね!」が付いていました。

ブルックスさんにとっても、これほど多くの人がこの瞬間を目撃していることに驚きます。「私は家に帰って娘の誕生を見守ることだけが目的だったのに、予想以上の結果になってしまった」とブルックスさんは語っています。

やさしいメッセージ

この動画には、友人や見知らぬ人から2人へ優しいメッセージがいくつも寄せられました。「一番うれしかったのは、他の軍人や母親たちが、彼を家に連れて帰るためにどうやって赤十字と連絡を取ったのかヒントを求めてきたことです」とヘイリーは語ります。「見知らぬ人がプレゼントを持ってきてくれたり、看護師さんがブルックスさんにお礼を言いに来てくれたりと、たくさんの人が来てくれ、支えに満ちた素晴らしい感動的な時間でしたね」

軍事基地への帰還

激しくも美しい4日間の後、ブルックスさんは訓練を終えるためにフォートブリスに戻ることになります。ミリーちゃんを離れるのは辛いことでしたが、父親になったことで軍人として国のために戦う理由がさらに増えたのです。兵役中もFaceTimeで頻繁に会うことができる、そして帰還から245日後、彼はようやく彼女を再び腕に抱くことができました。

 


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